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未納率4割のカラクリ

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ニュースや新聞などで、年金の未納率が4割という話を見たり聞いたりした事があると思います。これを聞くと公的年金加入者の4割もの人が保険料を納めていない、これでは年金制度が破綻するのも時間の問題と不安に感じられても決しておかしくはありません。実際に加入者全体の4割の人が保険料未納なら年金制度は成り立たないでしょう。でも、この4割は「公的年金加入者全体」の4割ではありません。

結論からいうと、1号被保険者の中の4割です。すなわち、厚生年金加入者や、厚生年金加入者に扶養されている配偶者を除いた公的年金加入者の中の4割が正解です。

公的年金制度の仕組みを簡単におさらいすると、20歳以上60歳未満で、日本国内に居住している方は、公的年金制度に強制的に加入され、次の3種類に分類されます。順番が前後しますが、厚生年金の適用事業所で働いている方で、厚生年金の加入要件を満たしている場合、国民年金では2号被保険者として分類されます。厚生年金にだけ加入しているのではなく、国民年金と厚生年金の両方に加入している形になります。保険料は厚生年金の方から事業主と折半で負担し、賃金から控除した保険料は会社が納付してくれるので、通常、2号被保険者に未納は生じません。この2号被保険者に扶養されてる配偶者が、3号被保険者に分類されます。3号の方に保険料の納付はありませんので、当然未納という話にはなりません。この2号、3号以外の方、学生や自営業、無職の方やその配偶者などが1号被保険者に分類されます。1号に該当する方は、自ら国民年金に保険料を納付しなければなりません。「年金未納率が4割」というのは、この1号に該当する方の話で、実際に2号や3号を含めた公的年金加入者全体の中でいうと、せいぜい5%程度です。なので、この程度の未納率で今すぐ年金制度が傾くという事はありませんし、この程度の事で傾くような年金制度なら「こんな年金制度いらない」となるでしょう。

だからと言って当然、未納が許されるわけではなく、未納をそのまま放置すると、確実に本人に後々ツケが回ってきます。老後に支給される年金の額(老齢年金・フツーに年金と聞いて思いつくいわゆる年金ってやつ)に影響するのはもちろん、若い世代の万一の病気やケガで体に障害が残ってしまった場合の障害年金の申請にも大きなマイナスとなる場合があります。障害年金に関しては、制度の重要さのわりに知名度がたいへん低いので、ぜひ年金制度は高齢者のためばかりではなく、若い現役世代の万一の備えになるという事は、多くの方々に知っていただきたいところです。もう一つ、万一本人が亡くなられた場合の遺族年金にも影響します。もし国民年金の納付がどうしてもという場合は、保険料免除制度をすぐにでもご活用ください。免除制度については、3月8日更新の「国民年金 申請免除summary」と7月18日更新の「国民年金 申請免除summary 失業特例編」を参照ください。また、最近は未納者に対する督促も厳しくなっています。

逆に老後の年金を増やしたいという場合、1号の場合だと、国民年金基金や付加年金、個人型の確定拠出年金を活用する手があります。この中で最も手軽なのが付加年金です。通常の保険料に付加保険料として月々400円を上乗せして納付し、実際に老齢年金を受給する際に「200円✖️付加保険料納付月数」の額が上乗せされ、2年で元が取れるようになっています。2号の場合、これまでは厚生年金基金が上乗せ年金の代表格でしたが、厚生年金基金の役割である厚生年金の一部を国に代わって代行するという役割を長い不景気が影響して果たす事ができなくなってしまい、さらに追い打ちをかけるように不祥事も発生し、縮小の一途をたどっています。代わって企業年金や確定拠出年金がメインとなっています。一方3号の方は、保険料を支払わなくていい反面、これら上乗せ年金の対象からは外れていたため、民間の年金保険で老後の資金を上乗せするしかありませんでしたが、昨年から個人型の確定拠出年金に加入できるようになりました。

あと、3号被保険者の方が専業主婦から就業しようとする場合に、扶養の範囲内にするかしないかで悩まれる方も多いと思います。それぞれの家庭の事情もあるので、一概には言えませんが、子育ても落ち着いてきて、フルタイムで就業できるだけの状況にあるのであれば、扶養の範囲内にこだわらず、社会保険に加入できるような就業を検討するのもいいのかなと思います。それほどまでに国民年金と厚生年金の場合でのメリットは大きいです。老齢年金もそうですが、特に障害年金の場合のメリットは、国民年金加入の場合と厚生年金加入の場合で全く違ってきます。障害年金の概要については、3月1日更新の「障害年金 ご存知でしょうか?」を参照ください。

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