キラリと輝く個性 サヴァン症候群

発達障害には能力の凸凹差が健常者よりも大きくでることは前回の更新で触れました。その凸の部分が自身の持つ平均した能力から見て突出した部分がある状況を最近ではサヴァン症候群と呼ばれるようになり、テレビドラマや映画などでも取り上げられることもあって、知名度も上がってきつつあるようです。
サヴァン症候群というと、個々の特定の分野に天才的な能力があり、例えば何年何月何日が何曜日なのかが瞬時に答えられたり、まるで写真のような繊細なタッチの描写の絵を描けたり、一度聴いただけで曲を間違えずに楽器を演奏できたり、とてつもない桁数の暗算をしたりといった、それこそ真似できないような能力を持っているというイメージがあります。実際はどうかというと、その人の能力全体を見て、突出的な凸部分を持った有能サヴァンの人は少なくはないものの、天才と呼べるような驚異的ともいえる才能の持ち主は全世界で100人程度しかいないと言われています。なので、周囲が期待をかけすぎてしまうことが本人にとってむしろマイナスになってしまう事にもつながってしまいます。ただ、前回の更新でも触れたように、能力を伸ばしていけるような環境づくり、配慮が本人にとっても励みになるでしょうし、逆に難のある面を長所に置き換えて指導することも必要なのかなと思います。
発達障害について知ってみると、小学生くらいの時にああいうタイプの子がいたなと思い出します。しょっちゅう周囲とトラブルを起こしては担任の先生にも半ば「またお前か」と呆れられ、運動会の学年全体の練習中にやはり周囲の子とトラブルを起こした時には、先生が激怒してグランドの真ん中に正座させてそのまま練習が終わるまで晒し者のように正座させられた男子がいました。今なら体罰だなんだいわれそうな指導法にも思えますが、、図工や体育が苦手で、癇癪持ちで服装や髪型も無頓着だったので周囲からはからかいの対象になってましたが、一方で社会科が大得意で、地図の地名探しや歴史の年号を暗記していたり、また駅の時刻表の時間や地元を走る常磐線の駅名をスラスラ言えたり、記憶力の良さを持っていました。でも、「社会しかできない」とやはりからかわれてました。七夕の集会で仮装大会があった時は、男子にもかかわらず織姫役を押し付けられるようにやらされて、普段その子を煙たがっていた女子に女装までさせられたのですが、本人もクラスのためにと思ったのか、自宅から織姫の衣装を持参してきたのです。他の子はそこまで力を入れませんし、突拍子のない行動にも思えますが、派手な衣装と女装が身を結んだのか、なんと優勝してしまったのです。これでクラスのヒーロー、、とはいかないんですね。昭和末期の発達障害という概念がなく、変な子とレッテルを貼られてしまっていた時代の話です。

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