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絶対安静!インフルエンザ

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例年この時季はインフルエンザの流行がピークを迎えます。先日は、インフルエンザを発症していた女性が、出勤中に駅のホームから転落して亡くなるという大変痛ましいニュースがありました。インフルエンザでも会社を休めない、逆に会社側からすると、インフルエンザだから休んでほしいのに無理に出勤してくるといった話もあちらこちらにあるようです。法規では、どのような規定になっているのかここで確認してみたいと思います。

実は意外にも、季節性のインフルエンザに関しては、労働安全衛生法にも感染症予防法にも規定がありません。規定がなければ、会社側がインフルエンザに感染している従業員に対し、強制的に出勤させても問題ないようにも思えますが、そうはいきません。会社側には安全配慮義務が課せられていて、従業員の生命、身体等の安全を確保しつつ労働できるように配慮しなければなりません。なので、インフルエンザなのに無理に出勤させて悪化させたり、亡くなってしまったりした場合、この安全配慮義務を根拠に損害賠償の可能性もあります。そうでなくても、感染力の強いインフルエンザですから、無理に出勤させた結果、職場全体に広がって職場の機能が麻痺してしまう事にもなるでしょう。なので、良識ある会社ならインフルエンザに感染している従業員はもちろん、従業員と同居している家族が感染した場合も、会社の方から休ませるのではないでしょうか。

会社側からインフルエンザで休ませる場合は、休業手当として、平均賃金の60%以上の額を従業員に支払わなければなりません。年次有給休暇を使わせる場合も、会社が一方的に年次有給休暇を消化させることはできません。なぜなら、年次有給休暇は従業員の意思で使うものだからです。なので、あらかじめ就業規則や労働契約で明らかにすべきでしょう。従業員本人が発症した場合と同居の家族が発症した場合で休業の内容を明確にすると、トラブルも少なくなるでしょう。

夏は熱中症、冬はインフルエンザと季節ごとに気をつけなければならない病気への対策が会社はもちろん、個々の従業員にも求められます。命にも関わりかねないだけに軽くは扱えません。学校保健安全法という法律に、インフルエンザの規定が次のようにあります。
発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで学校に登校してはならない
この規定を準用してインフルエンザに対応している会社も多いようです。厚労省も、発症した日の翌日から7日間は休ませる事を推奨しています。高熱で頭がボーッとし、全身倦怠感と関節痛の中で無理に仕事しても何もいい事はありません。気合いと根性で乗り切れるものではない事を個々が自覚し、治るまではゆっくり休んでもらう環境づくりが必要不可欠でしょう。

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アメリカ横断ウルトラクイズと年次有給休暇

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最近はほとんどテレビを見なくなりましたが、昔はテレビっ子で、テレビとビデオなしの生活など考えられないほどでした。11月の木曜日は、アメリカ横断ウルトラクイズが毎週放映されるので、楽しみで仕方なかったですね。

この番組に限らず、当時の視聴者参加番組はスケールが大きかった印象があります。アメリカ合衆国を横断するコースをスタンダードに、時にはロンドンやパリに行ったり、アラスカから南米最南端のフエゴ島まで縦断したり、オーストラリアに行ったり地上最後の楽園と呼ばれるタヒチに行ったりと、年ごとのコースも楽しみでした。クイズ番組と紀行番組が楽しめる、一粒で二度美味しい番組でした

はじまった当初は400人余りの参加者で、細々とスタートした感じでしたが、私がテレビで見ていた頃は2万人以上の参加者が東京ドームに集まり、番組もドキュメンタリータッチで、ワクワク感は常にありました。回が進んでいくと、優勝しそうな人はだいたい分かってきます。史上最強のクイズ王と呼ばれる長戸さんが登場した第13回は、とてつもなくレベルの高い戦いでした。翌14回は、うって変わって猛者のいないまったりとした回で、個人的には好きな回でした。15回は、明らかに強者に不利なルールのクイズがあり、ドラマがありました。ニューヨークの自由の女神の前で行われる決勝戦は、ヘリコプターで選手を紹介するシーンといい、戦い前の緊張感といいたまらなかったですね。11月最後の週の木曜日が決勝の回でしたが、エンディングを見てると寂しいのと、年末が近いなという気持ちになりました。

当時はまだ子供でしたので、自分も出たいと思っていましたが、出場できる年齢になった年になくなってしまいました。とにかく費用が半端ではなくかかった上に、バブルの崩壊でスポンサーも少なくなっていったのも影響したでしょう。海外旅行も身近になってあまり有り難みがなくなってきたというのもあるかも知れません。

東京ドーム(後楽園球場)の予選を通過すると、成田空港の2次予選からニューヨークの決勝まで約1ヶ月「拘束」される事になります。学生さんだと単位の取得に、社会人だと有給休暇の問題が出てきます。年次有給休暇は、雇入れの日から6ヶ月継続勤務して、その間の全労働日の8割以上出勤した場合に10日付与され、その後は1年経過のたびに付与日数が増加しながら更新されます。そして雇入れの日から6年6ヶ月後には付与日数がMAXの20日になり、その後も1年ごとに更新されます。つまり、雇入れの日から6年6ヶ月以上経過している場合、通常の付与日数が20日、前年に有給を1日も使ってない場合、有給休暇の時効が2年なのでその分も合わせると最大40日付与されます。なので法律上、ウルトラクイズに参加したいので有給休暇を取得したいという場合、取得できる可能性が高いです。ただし事業主にも時季変更権があるので絶対ではありませんし、入社してあまり年月が経っていない従業員の場合は、そこまでの有給はない場合もあります。当時テレビでは、会社を辞めさせられた挑戦者も見受けられました。解雇の理由も含めて今だと問題になると思います。

労働者派遣の2018年問題

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この秋は、長期間派遣社員として働いていた方にとっては大きな転換点となりました。無事に次へのステップを踏み出した方は良いんですが、一部では雇い止めとなり、職を失ったというケースもあります。

この現象を「2018年問題」と呼ばれていますが、2015年の9月30日に労働者派遣法が改正されて、派遣社員が、同じ派遣先で3年を超えて働くことが原則できなくなり、この秋に改正から3年が経過したことで、「3年ルール」の対象者が出てきたことで、派遣元の派遣会社や、派遣先の企業が対応に迫られています。この3年ルールは、就業から3年を経過する
派遣労働者に、派遣会社が次のいずれかの対応をしなければなりません。
①派遣先企業への直接雇用の依頼
②新たな派遣先の提供
③派遣会社での無期雇用
④その他安定した雇用の継続を図るための措置(教育訓練の実施など)
この中で、派遣会社が派遣労働者に対して現実的に行うのは①または②でしょう。①はあくまで派遣先企業に対しての直接雇用の依頼で、派遣先企業は、この依頼を必ずしも引き受ける必要は法律上ありません。企業としては、正規の従業員と派遣社員に求めるものには大きな違いがあるのが通常でしょう。なかなか派遣社員から直接雇用に結びつくのは、紹介予定派遣でもない限りは難しいと思います。直接雇用が運良く受け入れられた場合でも、正社員で受け入れられるとは限りませんので注意が必要です。ということで、最も現実的な派遣労働者に対しての措置は②になります。

ここで派遣労働者が気をつけたいことが2つあります。一つは、同じ派遣先で3年を超えて働くことはできないとありますが、同じ派遣先で部署を変える形であれば、3年ルールの適用からはずれて、新たに3年間働くことが可能です。2つ目の注意点は、空白期間が3ヶ月を超えた場合、これまでの派遣期間はリセットされます。つまり、3ヶ月を超える空白期間を経て、これまで働いていた派遣先企業で新たに3年間、派遣社員として働くことが可能となります。

ここまでの派遣法の改正点を見ると、派遣社員を雇い止めにする必要性があまりないようにも感じられるのではと思います。雇い止め問題に発展しているのは、2013年に労働契約法の改正で登場した有期雇用労働者が5年を超えて反復更新された場合に発生する無期雇用転換ルールの対象となる派遣労働者が多くいるからです。派遣法はかつて、専門26業務と呼ばれる雇用期間の制限のない労働者派遣がありましたが、改正によって、26業務の対象者も3年ルールが適用されるようになりました。26業務の対象だった派遣労働者の中には、無期転換ルールが施行された2013年当初から仕事をしていて、無期転換ルールの対象となる就業から5年を迎える人が多くいます。なので対象となる前に雇い止めにするというケースもあるのではないでしょうか。

派遣法の3年ルールの趣旨は、派遣労働は臨時的・一時的なものです。ただ現実的には、その趣旨とは逆行した動きがあちらこちらで見られ、一筋縄ではありません。将来的に正社員でと考えている場合に、つなぎで派遣を活用しようと考えている方や、派遣社員から正社員にと考えておられる方は特に考えてみた方がいいように思います。派遣を活用するなら、紹介予定派遣で働いてみるのも手かも知れません。

年休取得義務制度

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働き方改革関連法案が成立し、来年4月から順次施行されます。新聞やテレビ等でもおなじみの用語だけに一度や二度は聞いた事があるかと思いますが、中身自体は非常に濃く、多岐にわたるのであまりよく分からない方も少なくはないでしょう。

特に働き方改革で重要視しているのが、長時間労働の是正です。その中の一つで、業種や企業規模を問わず実施を求められるものに5日間の年次有給休暇の取得の義務づけがあります。

まず、年次有給休暇の制度をおさらいすると、雇い入れ後6ヶ月経過+期間中の出勤率8割以上で、週5出勤の方の場合、10日付与されます。ただし実際に年休をとりたい場合、従業員は使用者に対して「○月✖️日に年休をとりたい」といった申出が原則、必要です。この申出を「時季指定権」といいますが、対して使用者側には「時季変更権」があって、使用者の申出に対して、休まれる事で業務の正常な運営が妨げられる場合に指定した日をずらすように出来る権利があります。従業員の申出がなければ、会社側に「時季変更権」を行使するいとまがなくなってしまいますね。したがって、従業員が特に年休をとりたい旨の申出がなく会社を休んだ場合に、会社側は休んだ日を有給扱いする必要はないわけです。就業規則等で別段の定めがある場合は、それに従わなければなりません。

従業員の側から見ると、年休を使ううえで会社に申出が必要になる事での年休の使いづらさは少なからずあるようです。従業員の申出に対して、会社側が頭ごなしに断るというケースも珍しくありません。こうなると、違法になってしまいます。諸々の事情もあって、年休の取得率の低下という実態に繋がりました。今回の5日間の年休取得義務制度は、年休取得率を上げたいという国の意向もあります。

今回の改正では、使用者は従業員の希望を聞いて、それを踏まえて使用者が時季を指定して年間5日は確実に年休を取得させなければいけないというものです。必ずしも従業員の希望に応えなければならないというものではありませんが、リフレッシュ休暇のような形で5日間連続の年休を与えて、会社の休日を含めて都合1週間の休日を与えるとか、あるいは、一部企業で実施しているようなお盆期間を年休として取り扱うなど、業種、会社規模を問わず何らかの形で会社側は従業員に対して年休を与えなければいけなくなります。従業員が「年休いらないです」と言った場合でも与えなければなりません。従業員の「年休いらない」と言った場合には年休を与えなくてもいいと定めた場合、会社側が半強制的に脅しをかけるような感じで従業員に「年休、いりませんよね」とお願いするような事を想定してのものでしょう。

なお、この制度は10日以上の年休が付与されている従業員が対象ですので、週4以下で週30時間未満の従業員の場合、10日に満たない日数の年休が付与される場合もありますので、その場合は適用されません。

年休は、労働者にとっては日々の労働による疲労の回復が最も大きな目的といわれています。心身共に健康でなければ、日々の業務に従事する事もままならなくなります。従業員にとっては、休める時にしっかり心身の休息をとって、健康な状態で日々の業務に励むことが一番でしょう。会社にとっても、メリハリをつけて休むときはしっかり休んでもらい、不安のない状態で業務に打ち込んでもらうことが業績向上、利益増の好循環を生みだす一つの要因といえるでしょう。

賃金支払い5原則

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労働者にとって労働の対価である賃金は、命の次に大切なものといえるでしょう。その賃金の支払いを確かなものとして、労働者に対する保護規定が労働基準法に定めがある賃金支払い5原則です。

通貨払いの原則は、日本銀行券や貨幣といった通貨で賃金を支払わなければならず、現物給与は原則禁止です。通勤定期を現物で支給する場合などは、労働協約の別段の定めが必要になります。

直接払いの原則は、賃金は直接、本人に支払わなければならないというものです。例外としては、病気で欠勤している労働者に代わって、配偶者や親権者といった「使者」に支払うことは認められています。

毎月払いの原則は、月の初日から月末までの間に少なくとも1回賃金を支払わなければならないというものです。

一定期日払いの原則は、賃金を一定の期日を定めて支払う必要があるというものです。例えば「毎月月末」週給制の場合の「毎週金曜日」とするのは期日が変動せず特定されているという意味で問題なしですが、「毎月10日〜15日の間」「毎週第3金曜日」という定め方は、支払日が月によって変動がある、特定されていないという意味で認められていません。また、給与支払日が休日の場合、繰り上げでも繰り下げでも問題はありませんが、支払日が月末や月始の場合は、毎月払いの原則に引っかからないようにしなければなりません。

全額払いの原則は、賃金の一部を控除して支払うことの原則禁止です。でも、通常賃金は社会保険や所得税、会社独自の福利厚生費など、いろいろ控除されていますね。もちろんこれらは例外的に賃金控除が認められています。法令で別段が定めがあるものと、労使協定がある場合がそれで、社会保険や給与所得税の源泉控除は前者、会社独自の福利厚生費は後者です。賃金控除については、少し前にあちこちの派遣会社で月数百円ほどの不当な天引きが繰り返されていたことで問題になりました。

この5原則以外に、労働者の急な出費を必要とする場合に、労働者の請求で賃金支払日(労働者側からだと、給料日)が到来する前に繰り上げて支払う必要のある非常時払い制度があります。本人または家族の出生、疾病、災害、結婚、死亡、やむを得ない事由による1週間以上の帰郷が非常時払いの対象となる事由です。これはあくまで労働者が請求した日までの労働の提供が終了している部分の賃金を繰り上げて支払うというもので、賃金の前借りではありません。

なお、当たり前のように行われている賃金の口座への振り込みは、実は通貨払いの原則に反します。つまりは「現ナマ支給」が法の原則ですが、本人の同意があればOKという例外的なものです。同意のやりとりは「口座振込の通帳のコピー持ってきて」「あ、はい」で十分です。

プロフィール

藤嶋親方

Author:藤嶋親方
ご来訪ありがとうございます。茨城県東海村で社労士を開業している藤嶋です。 
社会保険制度を分かりやすく、出来るだけゆるく、時に日常の何気ない話等を綴っていきます。
どうぞお付き合い下さい。

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