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高所恐怖症やあがり症も精神疾患の可能性

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当ブログで何度か登場している障害年金は、精神疾患を含む多くの傷病による障害を対象としていますが、精神疾患の中には、一部対象外のものもあります。不安障害がその一つですが、その不安障害の代表といえるのがパニック障害でしょう。

電車やバス、飛行機などの長時間密閉された空間に身を置くことや、車の運転や買い物などの列の中、高層ビルや山、橋などといった周囲よりも高い場所で体の震えや動悸、過呼吸などといった発作が起きます。これら逃げることが出来ない空間で起きる傾向が強いですが、自宅で休んでいる時といったリラックス出来るような環境でも起きる事があります。ある時突然に死を意識するような発作が起きて、それが繰り返されると発作が起きた場所に恐怖感が出て、避けたりするようになり、日常生活にも大きな支障が出てしまいます。

昔はあがり症とか対人恐怖症と呼ばれた、人前で話すのが怖いという特徴が見られるのが、社交不安障害と呼ばれ、これも不安障害の一つです。人前に出ると顔が赤くなる、スピーチで頭が真っ白になって何を喋ったらいいか分からなくなる、電話で話すのが怖くて着信音を聞くだけで動悸がするといった具合に、人と接する事そのものが恐怖でしかなくなって、社会生活に支障が及ぶというものです。

これらの病名も、最近になって名前が世間に認知されつつあるのかなという印象です。この他にも全般的不安障害やPTSDなども不安障害に含まれます。これら不安障害やパーソナリティ障害、強迫性障害などは障害年金の対象とはならないのが原則ですが、うつ病や統合失調症など、精神疾患的な病態を示している場合は、障害年金の対象となる可能性があります。また、発達障害との関連性も社交不安障害などは考えられます。日常生活にまで支障が出てしまっては個性とか性格だけの問題ではありません。一刻も早い受診が必要ですが、障害年金の申請となると、初診日から1年6ヶ月経過しないと申請出来ない原則もありますし、申請段階で障害等級に該当しているのかが問われますので、決して簡単ではありません。

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発達障害とうつ病

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先日、ある新聞が実施した20歳以上の発達障害者を対象にしたアンケートで衝撃と言える結果が出ました。回答した人の中で、発達障害の診断を受けた人の45%が、うつ病の診断を受けたということです。発達障害の二次障害としてうつ病を発症している人が多いのは分かりますが、正直、これほどとは思っていませんでした。半数に迫ろうかという数字なので、非常に深刻な問題と言えるでしょう。さらに、学校でいじめを受けた経験があると答えた人は7割以上にのぼります。職場でのいじめを受けた経験がある人が半数近く、親や周囲からの虐待を受けたという人が3人に1人、半年以上引きこもりの経験のある人が4人に1人いるそうです。

当ブログでも説明したとおり、発達障害は先天性ですので、幼少の頃から特性があらわれます。今回のアンケートは、大人が対象ですので、発達障害の特性があらわれる子供のころに、世間で発達障害という概念がない時代に育ってきた人が多くを占めています。その頃は、学校では変なヤツだといじめられたり、親や先生からは何か起きるたびに「何でみんなと同じ事ができないの」と怒られ、挙げ句の果てには人格を否定されたり暴力を受けたりしていました。その結果、自尊心は失われ、コミュニケーションを作ることにも恐怖感を覚えるようになっていきます。大学を卒業したまでは良いけど、就職出来ないというケースも珍しくありません。就職出来たとしても、一般枠で就業している以上、周囲と同様の成果を会社は当然期待します。発達障害の場合、不得手な分野に関しては、誰でも簡単に出来そうな事でも出来るようになるのに非常に苦労します。仕事では、当然のようにその人にとって不得手なこともしなければなりません。そこでなかなか上手く出来ないと、会社も厳しいことを言ってきます。もちろん本人は何とか出来るように頑張るのですが、思うようにいかなくて周囲からは厳しい目を向けられ、心が折れて辞めてしまい、再就職へ向けての就活も上手くいかずに二次障害の併発や、引きこもりになったりしてしまいます。

就業中のコミュニケーションの難しさで言えば、発達障害の特徴である曖昧な表現の捉え方が困難であるということ、暗黙の了解や社交辞令が分からないといった事もあるのかなと思います。例えば、曖昧な表現でいうと「適当にやっておいて」の適当が何なのかが分からなかったりします。暗黙の了解にしても、誰でも分かりそうな事でも教えてあげないと分かりません。社交辞令にしても、言葉そのものを言葉のとおりに本気に捉えます。発達障害でない人からすれば、面倒臭いと思うかも知れませんが、発達障害のことを少しでも知って、そのような特徴がある人と接する時にどう接したら良いのかを考えてみる必要があるのではと思います。

発達障害の特徴のある人でも、実際に発達障害の診断を受けている人はまだ多くないと思います。最近取り上げられるようになってはきましたが、まだ知名度が高いとは思えません。なので、発達障害の特徴を持っている人でも、発達障害を知らずに「自分はダメ人間だ」と思い詰めている人も多いのではと思います。また、発達障害の診断を受けている人でもカミングアウトすべきかどうかの問題はあります。私も、発達障害を詳しく知ったのは最近です。それまではアスペルガー症候群は知っていましたが、断片的にざっくりとしか知りませんでした。これまで私も、今思えば発達障害っぽい人と接してきました。時に冷たく突き放すような事を言ってしまった事もありました。自分が出来る事を相手が出来ないと、ついキツイ事を言ってしまう事があります。発達障害の人は、何とかしよう何とかしようと人一倍頑張っている人が多いです。そういう人に自分目線で、自分と同じレベルの事を要求するのはその人にとっては非常に酷な事なんだろうなと反省しました。誰にでも長所はありますし、発達障害の人は、その長所が人並外れている事もあります。発達障害の特性を持った人は学校や会社といった日常生活の中で、普通にいるのではないでしょうか。まずは発達障害を知ってみる事が重要だと思います。

引きこもりと発達障害

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引きこもりと言うと、「努力していない」「怠けている」「生産性がない」等というイメージがつきまとい、世間からは白い目で見られがちなのが現状です。確かにそのイメージの通りの人もいるでしょうが、それまでの学校や職場での人生経験の中で、多くの失敗をしては叱責され、時には人格を否定されるような事を言われたり周囲の人ともどう関わったら良いのか分からない等、辛い経験の積み重ねが引きこもりにつながっているというケースも少なくないでしょう。引きこもりとなる原因のひとつとして、ここ2回の更新で取り上げてきた発達障害が影響しているという可能性が、かなりの確率であるのではないでしょうか。

発達障害が世間に知れ渡るようになってきたのは、21世紀になってから、特にここ10年くらいのように思えますので、現役世代の多くの人は、子供の頃に発達障害という言葉を聞いたことはないのではと思います。今で言う発達障害と診断されるような特徴をもつ子供でも、当時は「変な子」「自分勝手で我儘な子」と言われ、親や先生からは何かある度に叱責され、周囲の子からは嫌がられたりからかわれたり、最悪いじめられたりしていました。そういう経験が多ければ多いほど自尊心は傷つけられ、周囲とのコミュニケーションも疎遠となり、常にオドオドした感じになってしまいます。発達障害から二次障害を引き起こして引きこもりになってしまうというケースは少なくないと思います。

発達障害は「先天性」なので、早ければ1歳くらいで、遅くとも2、3歳くらいで何かしらの特徴が現れて、集団生活が始まる幼稚園くらいになると、周囲の子とトラブルをしょっちゅう起こしたり、逆に全く集団生活に馴染めない等といった顕著な特徴が現れます。なので、大人になるまで発達障害の受診をされてない場合でも、子供の頃から現在までの状況をたどっていけば、発達障害の可能性が見えてきます。

「障害」という名称があるので、受診を検討されてる方でも抵抗のある方は多いと思いますが、発達障害の診断を受けたことによるメリットはかなりのものです。まず、自分自身のこれまでの行動の原因がわかるということです。発達障害は先天性の脳の発達の違いが引き起こすもので、親の接し方のせいでもなければ自分自身の努力が足りなくて招いたものでもありません。原因が分かって安心したという人は多いし、受診をきっかけに発達障害と向き合って前を向いていこうという人も多いです。それとやはり、障害者手帳、障害年金の対象となる点は大きいです。障害者手帳があれば、障害者枠での就業が可能になります。一般枠で就職して頑張ってはみたが、仕事のミスやコミュニケーションの取り方などで疲弊してしまい、長く続かず退職してしまう人も少なくありません。一般枠だと、どうしても健常者同様の活躍が求められます。発達障害の人が一般枠での就業が難しいのは、凸凹差の凹の部分で周囲と同じだけ仕事しようとするために、健常者の何倍ものエネルギーを費やしてしまうからです。会社も利益をあげなければいけないので、なかなかそういった部分に目が届かなくなってしまいがちです。障害者枠だと、本人の状況にあった仕事がある程度できるようになります。障害者手帳があれば、雇用保険の失業手当の給付日数が通常より多くなります。障害年金に関しては、初診日から1年6ヶ月経過しないと受給の対象にはなりませんので注意が必要です。

発達障害が世間に認知されていなかった時代に子供だった人の中には、発達障害の特徴を「放置」された状態で大人になり、仕事で失敗を重ねたり周囲とのコミュニケーションが取れずに仕事が長く続かずに短いスパンで就退職を繰り返し、気持ちが沈んでいって引きこもりにつながってしまうという人も少なくはないでしょう。そういう人は決して努力をしていないわけではありません。何とか周囲と同じくらいに仕事が出来るようになりたいと頑張っています。それでも出来ずに上司に叱責されて自尊心が失われ、「自分はダメなんだ」という気持ちに支配されてしまうのです。とは言え、引きこもってばかりでは生活そのものが成り立たないでしょう。ありのままの自分を受け入れて、周囲の理解、協力を得ながら新たな一歩を踏み出す事につなげる事が大事だと思います。障害者手帳や障害年金といったセーフティネットは、そのための大きな助けになるでしょう。

キラリと輝く個性 サヴァン症候群

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発達障害には能力の凸凹差が健常者よりも大きくでることは前回の更新で触れました。その凸の部分が自身の持つ平均した能力から見て突出した部分がある状況を最近ではサヴァン症候群と呼ばれるようになり、テレビドラマや映画などでも取り上げられることもあって、知名度も上がってきつつあるようです。

サヴァン症候群というと、個々の特定の分野に天才的な能力があり、例えば何年何月何日が何曜日なのかが瞬時に答えられたり、まるで写真のような繊細なタッチの描写の絵を描けたり、一度聴いただけで曲を間違えずに楽器を演奏できたり、とてつもない桁数の暗算をしたりといった、それこそ真似できないような能力を持っているというイメージがあります。実際はどうかというと、その人の能力全体を見て、突出的な凸部分を持った有能サヴァンの人は少なくはないものの、天才と呼べるような驚異的ともいえる才能の持ち主は全世界で100人程度しかいないと言われています。なので、周囲が期待をかけすぎてしまうことが本人にとってむしろマイナスになってしまう事にもつながってしまいます。ただ、前回の更新でも触れたように、能力を伸ばしていけるような環境づくり、配慮が本人にとっても励みになるでしょうし、逆に難のある面を長所に置き換えて指導することも必要なのかなと思います。

発達障害について知ってみると、小学生くらいの時にああいうタイプの子がいたなと思い出します。しょっちゅう周囲とトラブルを起こしては担任の先生にも半ば「またお前か」と呆れられ、運動会の学年全体の練習中にやはり周囲の子とトラブルを起こした時には、先生が激怒してグランドの真ん中に正座させてそのまま練習が終わるまで晒し者のように正座させられた男子がいました。今なら体罰だなんだいわれそうな指導法にも思えますが、、図工や体育が苦手で、癇癪持ちで服装や髪型も無頓着だったので周囲からはからかいの対象になってましたが、一方で社会科が大得意で、地図の地名探しや歴史の年号を暗記していたり、また駅の時刻表の時間や地元を走る常磐線の駅名をスラスラ言えたり、記憶力の良さを持っていました。でも、「社会しかできない」とやはりからかわれてました。七夕の集会で仮装大会があった時は、男子にもかかわらず織姫役を押し付けられるようにやらされて、普段その子を煙たがっていた女子に女装までさせられたのですが、本人もクラスのためにと思ったのか、自宅から織姫の衣装を持参してきたのです。他の子はそこまで力を入れませんし、突拍子のない行動にも思えますが、派手な衣装と女装が身を結んだのか、なんと優勝してしまったのです。これでクラスのヒーロー、、とはいかないんですね。昭和末期の発達障害という概念がなく、変な子とレッテルを貼られてしまっていた時代の話です。

昔は認知されていなかった発達障害

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ここ最近、発達障害もだいぶ世間に知れ渡ってきた感はありますが、私が幼少の頃、昭和の終わり頃は今で言う発達障害っぽい人(主に子供)は、「変な子」「どんくさい子」あるいは「不思議な子」と言われ、周囲からからかわれたり、最悪いじめの対象になっていたりしました。

発達障害の細かい分類についてはここでは割愛しますが、ざっくり特徴はというと、自分が興味のある分野に対しては人並みはずれたといっても良いくらい優れた能力を発揮する一方で、苦手な事は誰でも出来そうな簡単な事であってもひと苦労してしまうといった具合に、出来る出来ないの凸凹差が健常者よりも大きいという特徴があります。子供だと、科目ごとの凸凹差が大きく、例えば社会や算数は得意で毎回通知表は5で学年でもトップを争うけど、その一方で図工や体育が苦手で通知表が毎回1や2といった具合に成績が極端になりがちです。手先が不器用だったり、運動神経が極端に悪く出る傾向があるようです。体育の時間は、運動が苦手な子にとっては非常に辛い時間です。特に先生の配慮が必要不可欠だと思います。運動神経に関連して、字が汚くてノートの取り方が雑という特徴もあります。

一方で暗記が得意で、社会科の地理や歴史、地図帳の地名当てはスラスラと解答したり、それと「〇〇博士」とあだ名されるような一定の分野に対する知識が人並みはずれて優れていたりします。子供の頃ですと、鉄道博士とか天体博士、昆虫博士といったところでしょうか。また、クラスメイト全員の誕生日を暗記していたり、同じ学年全員のクラスを正確に記憶していたりする人もいます。いわゆる凸の部分の能力をうまく伸ばしていけば、大人になって大成功を収めたり、歴史に残るような偉業を成し遂げたりする可能性も秘めています。

しかし発達障害の人は、コミュニケーションの取り方が苦手な人が多いです。中学生くらいまでは短気で攻撃的な正確に出る傾向が強く、大人になるにつれて徐々にその傾向は薄まりますが、忘れ物をしやすい、ケアレスミスが多い、整理整頓が苦手、場の空気が読めない、冗談が通じない、建前と本音の区別がつかない、相手の目を見て話が出来ない、言わなくていいことを言ってしまう等、大人になっても残ってしまう特徴は少なくありません。

最近は、発達障害の認知度も昔に比べれば上がってきたこともあって、発達障害に対する理解もされつつあるようには感じますが、まだまだ十分とは言えないような気はします。発達障害の場合、一見すると健常者と変わりません。それ故に苦しい思いをしている人も少なくないでしょう。学校でも社会に出ても健常者と同様のことを要求されます。学校なら先生に、会社なら上司や先輩に、言われたことに対しては何とか周囲と同じように自分も結果を出そうと本人なりに頑張ります。しかし発達障害の場合、凹の部分を健常者並みに出来るようになるには自分一人ではどうしても限界はあります。それを毎回のように怒られ、「自分は何をやってもダメなんだ」と自分に自信をなくしていき二次障害、三次障害を起こして不登校や引きこもりに繋がってしまいます。コミュニケーションが苦手な傾向が強いだけになおさらです。カミングアウトしないと分からないと言う人もいるでしょう。理解してくれる人ばかりではなく「発達障害を逃げ道にするのか」「努力が足りない」「甘えだ」と理解を示さない人も少なくありません。まだまだ誤解や偏見は多く見られますので、発達障害の正しい知識が浸透していくことが必要です。

出来るのであれば、小学生くらいのうちに気になる特徴が見られるのであれば、受診してみた方がいいのかなと思います。発達障害と診断されても、特に親御さんは悲観的にならず、治療しながらお子さんと向き合っていく事が必要ではないかなと思います。凹の部分を咎めず、凸の部分をほめて伸ばす事が子供にとっては大きな自信になるでしょう。また、発達障害を知らなかった等の理由で、大人になって発達障害の診断を受けた事で、原因が分かって安心した、これからは治療しながら前を向いていこうと新たなスタートを切った人も多くおられます。

なお、発達障害も日常生活に大きな支障が出るような場合、障害年金の対象になります。発達障害は一般的には先天性の障害といわれていますが、初診日の扱いは、発達障害で初めて医師に診てもらった日となります。もちろん、障害者手帳の対象になりますし、障害者手帳を持っている場合、通常よりも雇用保険の失業手当を受給出来る日数が増えます。1年以上雇用保険に加入していた場合、44歳までだと300日、45歳以上65歳未満だと360日の給付日数になります。

プロフィール

藤嶋親方

Author:藤嶋親方
ご来訪ありがとうございます。茨城県東海村で社労士を開業している藤嶋です。 
社会保険制度を分かりやすく、出来るだけゆるく、時に日常の何気ない話等を綴っていきます。
どうぞお付き合い下さい。

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